読書と映画、執筆となにか。

なにか書きたくなったら更新されます

2017年12月31日のこと。

八時半くらいに起きたと記憶している。

この旅で食べてなかったモーニングにしようと駅前を歩いた。結局、こちらでいただく。

 

白ばら喫茶 福山駅前店

https://tabelog.com/hiroshima/A3403/A340301/34009534/

暮れも暮れ12/31に営業してくれているのがありがたい。店の制服を着た女の子がふたりシフトに入っていた。見目もよい子たちで、ツインピークスのダブルアールダイナーのようだった。

 

鞆鉄バスにのる。以前よく使っていた路線の車窓を懐かしく眺める。

ノスタルジイを感じるファクターのひとつに、「最初から古かった」というのはかなりありそう。そんなことを考えているおれを乗っけて、緑色のバスは瀬戸内の進んでいく。

 

たじりこども園前で下車。ここからはスネーク。母の実家の近所なのだ。いい年したイトコがなんの知らせもなく大晦日にくるなんて事態は避けなければならない。というのは建前で、二親等の祖母がぼけてしまったためだった。疎遠になっている三親等四親等たるおれが尋ねていくのはちょっとバツがわるいのだ。

まずはじいちゃんのお墓参りを済ませようとお寺さんに向かった。山肌に段々畑のように墓地があるタイプのお寺だ。振り向けば海が見えるのは、瀬戸内海の墓地あるあるかもしれない。

なにぶん久しぶりすぎて、お墓の場所がわからなかった。ゆっくり探そうにも、大晦日だからか、ひとが多い。

「こんにちは」

このあたりのひとは、知らないひとにも挨拶するのを忘れていた。

「こんにちは」

言い方を真似て返したけど、イントネーションの違いはばれてるんだろうなぁ。

まぁまたくればいいさ。そう決め込んで、結局、そうそうに退散してしまった。

 

その後、近辺を散策した。むやみやたらに歩き回るのではなく、グーグルマップを見ながらだ。

子どもの頃は、イッコ下のイトコについて回っていた。子どもの頃のイトコの行動範囲がそのまま、子どもの頃のおれの行動範囲になっていた。先を知らない道、いったことのない場所が、しかるべきだったのだ。

今回歩いてみて思ったのは、

・子どもの頃の行動範囲というのは、思いのほか狭い。

・グーグルマップは役に立つ。

とはいえ、スマホをのぞきこみながら歩くのはなんか味気ないものかもしれない。

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凪がすぎて、鏡のように空を写している海面。

 

f:id:mizuhoha:20180204231103j:plain点々としているのはカモ。連中、海もいけるの知らなかった。

 

子どもの頃に過ごした町や時間から、ある程度、距離ができてから、再訪するのは頭の中をくすぐられているようで楽しかった。

 

小雨が降り始めた。再びバスにのって、今度は鞆の浦へ。

主要なところはすでに回っているので、主に周辺を散策。

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鞆の浦の町並み。

 

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山のほうも、いい感じだった。

 

グーグルマップによると近くに歩いて上陸できる無人島があるようだ。

おれが書かなくても、ここに詳しく載っていた。

・まったく観光地化されていない。

・観光客がいない。

・表参道が海のほうに延びている廃寺がある。

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よかったどころではなかった。ここはめちゃくちゃよかったのだが、同行者に這いつくばって、岩場を登らせるのもどうかと思うので、おひとりさま専用の観光地。

 

お腹が減ったので、なにか食べようと思うのだが、大晦日でお店がやってない。けっこう探したが、どこも開いてなかった。鯛めしと思ってたのに残念だった。

福山にもどってきてもご飯食べられることを探した。

結局、天満屋のレストランフロアで、出雲そばにした。なんで出雲と思われるかもしれないが、ここはとんちで年越しそばというわけだ。

天満屋ではほかに、あんもちを買った。あんもちは東京になく、母が懐かしがっていたものだ。

 

ロッカーに預けていた荷物を出すと、ちょうどこだまが到着する時間だった。あわてて飛び乗ってしまったが、まだまだ時間はあったので、もっと福山でゆっくりすればよかった。もしくはのんびり在来線で岡山でよかった。

 

そんなわけで、鹿児島中央から使い始めた切符の最終地、岡山に着く。ノープランで、早めに着いた。

開いているお店は少なく、ひとは多い。その結果、開いてるお店にひとが殺到している。深夜バスの発車時間までのんびり時間をつぶせるような雰囲気ではなかった。

 

とりあえず、バス乗り場を把握しておこうと、プリントアウトした地図を片手にあたりをうろうろしていると、女の人が声をかけてくれる。バス停の場所を教えてもらう。旅の終焉ということもあってか、親切が身にしみる。

 

バスの発車は22:15。それまで時間をつぶすのが大変だった。

すき家とか宮本むなしはやってるけど、そういうところで、どうでもいいカロリーは取りたくないため、ファミマーでおにぎりを買って食べたのだった。

 

2017年12月30日のこと。

7:00起床。

もれなく朝食がついてくるホテルだった。

一階のビッフェに降りると、ひと通りのものが揃っていた。朝食といってもバイキング形式のあれだ。アメリカの刑務所みたいな感じのヤツだ。

和食中心でおかずを選んだ。以前はこういうとき、かなりの量を食べてしまって、昼食や夕食に影響が出てしまうことが多かった。最近はそんな愚を犯さない。おいしくないものでお腹いっぱいにするのは愚かなことだし、おいしいものでもお腹いっぱいにはしないようになってしまった。ようするに年くったわけだ。

 

広島駅から呉線に乗る。通勤ラッシュの時間帯と思ったがひとは少ない。ねんのため曜日を確認すると土曜日だった。土曜日だからひとが少ないのか、年末だからひとが少ないのか判断はつかない。おそらくそのどっちもだ。瀬戸内沿いに栄えた一帯を電車は進んでいく。小一時間かけて、呉駅に着いた。

JRレンタカーでレンタル自転車を借りた。電動じゃないヤツで350円。

荷物は前の籠に入れとけばいいわけで、1回300円するコインロッカー代を、自転車のレンタル料金に回せる。

そしてなにより、自転車とグーグルマップは相性が良すぎる。それに尽きる。

レンタル自転車あるんなら、とりあえず借りとこうかくらいに考えるようになってしまったのが、今回の旅のいちばんの収穫かもしれない。

 

残りの旅程はわずかだけど、洗濯をする必要があったので、まずはコインランドリーへ。ナビゲーターはもちろんグーグルマップさんだ。駅の近くに築浅きれいめなコインランドリーがあった。

いちばん小さい洗濯機を回してから、呉の観光を開始。かつては市電が走っていた町で道が広い。繁華街はれんが通りというらしい。栄えているかどうかのバロメーター、パチンコ屋さんがあちこちにあった。

 

このお店の列に並んだ。

福住 フライケーキ (ふくずみ) - 呉/スイーツ(その他) [食べログ]

一個80円か。揚げている様子を眺めながら2個……いや、3個かな。などと思っていると、前のかたは25個頼んでいた。揚げるおばちゃん、包むおばちゃんなど、役割分担は完璧だ。すぐに順番が回ってくる。

油のしみた紙袋からひとつつまんで、熱いうちに口に運ぶ。半端じゃなくおいしかった。思えば出発から一週間だ。いいかげん疲れているのだろう。身体が甘いものを欲している。

 

洗濯が終わるタイミングでコインランドリーに戻った。洗濯物を乾燥機に移し替えて、再度観光へ。

この世界の片隅に」に登場した遊郭(のあった場所)を探した。

樋口一葉たけくらべよろしく、川が流れていて、一般生活との境界をかねた橋がかかっている。長崎の思案橋もこのたぐいだ。そのほか、交番がある。美容店、甘味屋、仕出しやがあるなどが、もと遊郭街の特徴なのかな。

現在進行形で栄えている町なので、そのような名残がほとんどなかった。

 

30分後、コインランドリーに戻ると、おれの洗濯物は籠によけられていた。いつの間にか店は混雑していて、洗濯機・乾燥機が全台稼働中だ。年末だから混んでるのか、週末だから混んでるのかわからない。

 

呉は細うどんなるものが名物なのだそうだ。

山乃家 本店 - 呉/うどん [食べログ]

お昼はここでいただいた。観光者相手のお店ではなく、あくまで地元の食堂。おいしかった。

 

食後、サイクリングを再開。

マンガと映画で大ヒットした「海猿」の聖地にもなっているようだ。呉は思っていた以上に、海上自衛隊感が強かった。

 

海上自衛隊呉資料館は残念ながら休館日。

大和ミュージアム http://yamato-museum.com/

こちらは開館中で、大盛況だった。

10分の1戦艦ヤマトを始め、零戦や回天の実物大があった。

正式名称である「呉市海事博物館」の名にふさわしく展示物充実なのだが、ひと多いせいかお祭りのような賑やかさがあった。\事実、戦艦は勇壮でかっこいいものだが、高価な一眼カメラを、模型に向けているオタクの親子などを見ていると、複雑な思いに駆られてしまう。知覧特攻平和会館とは真逆のベクトルだった。

 

呉線に戻って、旅を進める。

次の途中下車は竹原。

駅前アーケード街がシャッター通りになっている。無人の町に、童謡みたいな音楽が流れていて終末感が半端ない。世界が終わる日のリハーサルみたいな風景。どこからともなく「遠き山に日は落ちて」が聞こえてくるのだ。怖いけど、味わい深い。

15分くらい歩いて、竹原の美観地区へ。

趣きある町並みがそこにあるよ。瀬戸内の港町・竹原を散策しよう。 | キナリノ

ほんとにこんな感じだった。

広くはないので、一時間前後で回れてしまった。

 

次は尾道で夕食のつもりだったが、電車の乗り継ぎが悪いので、三原で降りることにした。

小学六年生の頃、三原から水中翼船で松山に行った記憶があったので、なにか覚えていたりしないかと、フェリー乗り場まで足を運んだのだが、結果、なにも思い出すものはなかった。

水中翼船 - Google 検索

ググると「水中翼船」は、もう日本にないとのことだ。フェリーと比べ、三倍のスピードだったらしい。残念なことだ。

 

尾道到着が17:00過ぎになってしまった。

年末営業で尾道帆布店はシャッターを閉めたところ、朱華園はスープがなくなったところ、温泉サウナにいたっては、サウナが壊れていた。尾道で途中下車した目的が、すべてダメになってしまって、かえってすがすがしい。

少しでもおいしい尾道ラーメンをというわけで、異様に暗いアーケード街をググりながら歩いた。

喰海 - 尾道/ラーメン [食べログ]

というわけで、こちらで夕食。無事、おいしくてよかった。

 

福山に着いたのが20:00頃。

ホテルに荷物を置いて買い出しにでた。ついでに駅周辺を散策。

サントークはいまや「さんすて」で、トモテツセブン→キャスパは廃ビルとなっていた。駅前の一等地に廃ビルが放置されているのは珍しい。

ビールとほろよい、サヨリを焼いたもの。いまでは西日本でしか買えないカールを買って、ホテルに戻った。

酔っぱらうと気道が塞がってきて、呼吸が苦しくなる。喘息用の気管支拡張薬を吸入すると少し楽になるんだけど、はたして、そこまでしてアルコールを摂取する必要はあるんだろうかといつも疑問だ。

 

テレビを見たりして過ごした。

24:00過ぎに就寝。

 

2017年12月29日のこと。

友だちん家で8:00起床。いや、正確には、ここは友だちの実家だ。

二度寝してしまったとのことで、友だちが起きたのは8:30。

9:00マクドナルドで朝マック。たまに食べるソーセージマフィンはやたらおいしい。

西日本はジョイフルとディスカウントドラッグコスモスばかりだねみたいな話をした。

10:00友だちの娘さんを拾って、車は一路、いろり山賊へ。

 

いろり山賊はドキュメント72時間で取りあげられたのを見てから、行ってみたいと思っていたところだ。

子ども時代は親に連れてきてもらい、自分で運転できるようになるとドライブかてら仲間ときて、やがては彼女と、嫁とくる。

山口県に住む若者は、みんなこんな感じなのだろうか? というと、みんなそんな感じとのことだった。

到着したのは12:30で駐車場が車でいっぱいだった。広島ナンバー、福山ナンバー、北九州ナンバーがあちこちにある。

食券売り場でも並び、13:00すぎにようやく入店(入山?)した。

 

どんなところかというとこんなところだ。

玖珂店|いろり山賊

山ん中に、四畳半くらいの畳の間とこたつが用意してある。全部で20台くらいかな? ひとグループでこたつをひとつ占拠し、そこで名物料理の巨大おにぎりと鶏の足をほおばるのだ。

熱いお茶が運ばれてきて口をつける。こたつ布団の中で、合わせた両手を太ももに挟む。

いちばんいいのは新緑の頃と、紅葉の晩秋だろうね。冬はちょっと寒いし、夏は蚊が多そうだ。会場には祭り囃子が流されていて、高校生らしきアルバイトらしき店員が御用聞きに走り回っている。

友だちの娘さんはこの日が、いろり山賊デビューで、始終楽しそうにしている。大人しい子でほほえましい。

けっこう待った。30分くらいして一気に料理が運ばれてくる。

梅・鮭・昆布。おにぎりは具が三種も入っていた。大きく感じていたおむすびは、いま見るとこんなものだったのかと、大人になってみんな思うのだろう? そういうと、友だちはそうだと答えた。

鶏の足もおいしかった。遅れてきたクリスマスって感じだ。

祭りの体裁なので、食べ終わってからもみるもの、遊ぶものがいっぱいあった。

華麗なバチさばきで太鼓を叩いている若い一般人女性がいたのだが、彼女はいったいなんだったんだろう。友だちの娘さんは逆っ側で、太鼓の震動を楽しんでいた。

この時間帯になると駐車場も空いていた。引き上げたのは14:30頃だ。

いろり山賊は下手な観光地顔負けのお店だった。

 

その後、車は錦帯橋へ。

【錦帯橋】岩国市公式ホームページTOP

河川敷に用意された駐車場に車を停める。

吉川英治の「宮本武蔵」で、佐々木小次郎が必殺技「燕返し」を会得開眼した場所がここ、錦帯橋だ。ただし、その設定のほとんどが吉川英治の創作なのだそうだ。

橋を渡るのに300円取られる。それでも損した気がしないのは、渡った先に公園や史跡があって見どころいっぱいだからだ。ロープウェイを使って、山頂にある岩国城へのぼることもできるようだが、おれたちはいかずに散歩してすごした。

友だちの娘さんが入りたそうにしているので、つきあった。

岩国シロヘビの館 | 岩国観光振興課-岩国 旅の架け橋

白蛇とはアルビノのアオダイショウのことだった。米倉のネズミをえさにしているアオダイショウはアルビノになりやすいらしい。なにかミステリーのネタにもできそうだが、このご時世ではコンプライアンスをクリアするのがめんどくさそうだ。

ソフトクリーム食べたり、河原で石投げなどして、楽しい時間は終了。

17:00すぎ車で岩国まで送ってもらった。年末の忙しい時期に相手してくれてありがとう。友だち親子とは別れ、ふたたびひとり旅へ。

 

ちょうど帰宅の時間だったので、年末といえども在来線は混んでいた。岩国から広島はあっという間だったが、しばしラッシュを味わう。

今日の宿は、広島駅から徒歩5分のところにあるビジネスホテルだ。

チェックインしてエレベーターで13階へ。できたばっかりでやたらきれい。だが、湯船がなかった。二日続けてお風呂はお預けだ。

 

夜ごはんはここで、モチ入りネギかけ。

いっちゃん (【旧店名】みっちゃん) - 矢賀/お好み焼き [食べログ]

広島の有名店で食べるお好み焼きは本当においしい。

 

近くにあったユアーズ(広島あたりで展開しているスーパー)で、牛乳とおさつスナックなど買ってホテルに帰還する。

テレビでよゐこ無人島生活を見た。ナスD面白いけど、なんか怖いね。

持ってきた下着の替えがなくなった。

24:00前に就寝。

2017年12月28日のこと。

6:00起床。ホテルの露天温泉いただく。

内風呂温泉とはまた泉質が違った。ひとがいなくて良い。

 

本当なら、ここ

鉄輪むし湯|別府市

に行く予定にしていたのだが、運の悪いことに月に一度しかない休館日(第四木曜日)に当たってしまっていた。どうやらおれは温泉よりもサウナのほうが好きなようで、むし湯は楽しみにしていたので残念だ。

まあ、別府はまたくるだろうし……ということで、7:30のバスに乗って別府駅へ向かう。

 

臨時列車のソニック80号に乗ろうと決め、ロッテリアでモーニングセットを頼む。臨時列車だからなのか1番線という表示。1番線は大分方面なのにな。ホーム登って待ってると1分前なのに案内すらない。向こう側のホームには、特急らしき車両が入線してきてるというのに……。

「っ!」

ホームを走って階段降りて、向こうのホームへの階段登った。ぎりぎり滑り込むと同時に扉がしまって走り出した。

向かっている方向はあってそうだし……と、自由席に腰を落ち着ける。結果的に、飛び乗ったこの特急がソニック80号だったのだった。別府駅の1番線という案内表示が間違っていたのだ。20秒早く駅出ただけで謝罪しているJR東日本さんはもっとみならったほうがいい。

 

10:00前に小倉着。

各駅に乗り換えて門司港駅へ。門司港駅近辺は前回の九州旅行で歩いているので観光は割愛。今回の目的は徒歩で関門トンネルを渡ることにある。

グーグルマップさんによれば、レトロ地区の先、休館中の出光美術館のそのまた先に入り口があるようなのだが、案内表示がいっさいない。大丈夫なのだろうかと、不安になりつつもアイファンを確認しながら、海沿いを歩いていくと神社があった。その先に、関門トンネル人道入り口を見つけた。

 

入場料なり通行料なりを払うのだろうと思って、あたりを見回すも、受付は見あたらない。ただエレベーターが二基あるのみだ。

地下五階くらいの深さまで降りる。ケージの扉が開くと、微かに傾斜のついた道がまっすぐに伸びている。どうやら無料で渡っていいようだ。

場所も利用方法もよくわからない。立派な観光資源だと思うのだが、なんでこんなにわかりにくくしてあるのだろう。福岡県、山口県的には、向こう側に渡らせたくないということなのだろうか、そんなことを考えながら歩いた。

自動車の騒音も聞こえてきたので、近くに車道も通してあるのだろう。

 

緩やかな下りの傾斜が、緩やかな登りに転じる地点が、福岡県と山口県の県境になっていた。

県境が収まるようカップルが写真を撮ろうとしている。後からきたおれに、どうぞと先を促してくれる。違うんだ。おれも県境の写真を撮りたいのだけど、まあ、いいか別に。そんなものネットを探せばいくらでもあるご時世だ。そんなふうに考えてしまうものだから、最近は、旅行してもほとんどシャッター切らない。

15分くらい歩いて、エレベーターで地上に出ると山口県だった。

 

下関駅までは遠いとのことでバスに乗った。かなり距離があったのでバスに乗って正解だった。

お昼はここで海鮮丼。

[食べログ]おかもと鮮魚店

刺身の種類が多いためすごいボリューム。いままで食べた海鮮丼の中でいちばんおいしかった。

 

小倉で途中下車した切符を、下関から再び使用。

13:11岩国行きの各駅停車に乗る。

14:36防府に到着。

防府に来たのは取材のやり直しだ。何年か前に訪れたとき三田尻銀座があった場所を南口側だと勘違いしていたためだった。いまはなき遊郭三田尻銀座は駅の北口側、海の近くとのことだった。

 

駅にある観光案内所で、レンタル電動自転車を借りた。

観光案内所でもらった地図とグーグルマップを比べながら、ペダルを踏むんだけど、高千穂で借りたあれはなんだったんだってくらいスイスイ進む。用意してきたデジカメの出番がようやくやってきた。

 

三田尻銀座についてはこちらがくわしい。

防府市三田尻港・開地遊郭跡の怪しいスナック街 - 裏日本DEEP案内

ここにもあるように遊郭「跡」ではなく、現在進行形の遊郭だった。

現役の遊女がひとりあたりをふらふらしていて、カメラ片手のおれを気にしていた。自転車を漕ぐと、今度はおれがいちばん苦手な、放し飼いの犬もいる。どうも、野犬っぽい。

そんなわけでゆっくりとは回れず、電動自転車でぐるぐる移動している感じの慌ただしい取材になった。

周辺ふくめ、五周くらいして、駅へと戻った。

未見だった前回とは違い、「マイマイ新子と千年の王国」を見た後だったので、南口側も見ておこうかと思ったけど、友だちとの待ち合わせもあるので、旅を再開させた。

 

というわけで、17:20前に光に到着。友だちと合流。

すぐに忘年会の買い出し。泊めてもらう友だちの家にいって、

MOGRA DESIGN ,ltd. [有限会社 モグラデザイン]

の忘年会におれも参加させてもらった。同人誌制作でもお世話になってるモグラデザインの面々と、スカイプ越しに飲み交わした。ボラの刺身がおいしかった。ボラって、あのボラだ。河口でばちゃばちゃやってるあいつらだ。

 

23:00頃、回線をオフ。

風呂に入れなかったので、濡れタオルを借りて身体を拭いてから就寝。

2017年12月27日のこと。

朝ご飯もおいしかった。

宿のひとが8:30に高千穂バスセンターまで送ってくれた。高千穂観光を再開。

レンタル電動自転車をまたしても借りて、40分ほど自転車を漕ぐ。天岩戸神社へ。

【公式】天岩戸神社(あまのいわとじんじゃ)|天岩戸神話|宮崎県|高千穂町

 

神職のかたに声をかけると、天岩戸が見える場所まで案内してくれる。声をかけないと、天岩戸は拝めないということで、声をかけた。まだ誰もいない時間だったが、快く案内してくれた。渓谷の対岸にそれは見えた。

続けて、天安河原へ。ひとによってはパワースポットというのだろう。ここいらは雰囲気満点だ。

 

自転車に戻って、渓谷の対岸、天岩戸神社東宮。続けて、八大龍王神社へ。

このあたりのフットワークの軽さは、レンタル自転車の強み。この日はきつい登りもなく、充電も十分だった。

 

サルタヒコをまつっているというので、荒立神社にも寄った。おれはサルタヒコが好きなのだ。

荒立神社 | 観光スポット | 高千穂町観光協会 | 宮崎県 高千穂の観光・宿泊・イベント情報

おみくじが20円だったので引いた。クジは「吉」で「恋愛 急げ」とあった。仕事は「あせらず、粘れ」。後者には首肯するも、前者はどうしたらいいのかわからない。

 

昨晩、夜神楽を見た高千穂神社も再訪する。

残りの見どころは高千穂峡だけとなる。おいおいこれをまた登るのかよと思いながら、下へ下へ。

高千穂峡 | 高千穂町観光協会 | 宮崎県 高千穂の観光・宿泊・イベント情報

高千穂峡はいうまでもない九州を代表する観光地だが、個人的にあまり興味はない。

 

お昼過ぎに高千穂バスセンターに戻ってきてレンタル自転車を返却した。

腕時計を見る。次のバスまで時間あるので、お昼をとることにした。

ここ、すっげーおいしかった。

焼肉 初栄 - 高千穂/焼肉 [食べログ]

高千穂牛もしっかり食べられた。はじめてにして最後になるかもしれない高千穂は大満足のうちに幕を閉じた。

自転車漕いだせいか、たばこすわなくなって休憩しなくなったせいか、たぶん、疲れているんだろうね。帰りのバスは眠りこけてた。渓谷? なにそれ。

 

延岡のスーパーマーケットで、小さなカット済みあんまきを見つけて買ったけど、あんまきって東海地方の食べ物だよね。なんで、こんなところで?

15:39延岡発の特急にちりん18号で大分。乗り換えて別府へ。

 

ホテルに荷物をおいてから、鉄輪のあたりを回ろうと思っていたけど気が変わって、先に鉄輪のあたりを見ることにした。

バスを降りてから、重い荷物を肩に歩き続け、こちらで夕食。

甘味茶屋HP

とり天、だんご汁、やせうまのセットを頼む。だんご汁はとてもおいしい。やせうまはじめて食べたけど、これは別にどうでもいい感じだ。

 

その後はこちらへ。

別府温泉なら一日中楽しめるひょうたん温泉

別府温泉の紹介記事で推されていたので期待していた。湯気もくもくすぎる蒸し湯はすごかったけど、期待していたほどではなかった。ここでも砂湯をやっておけばよかったのかな。期待しすぎていたこちらが悪いのだろう。

 

鉄輪の坂を小一時間登り続けて、身体がすっかり冷えた頃、ようやく宿に着く。すぐに温泉に入る。サウナ1セットしたけど、水風呂がないのでいまいちキマらない感じ。

歯ブラシが二本。ほかに身体を洗う用のタオルなど、この宿もじゃらんで見つけたわけだが、とにかくアメニティが充実していた。氷入りの水がポットに入っていた宿は初めてだ。おれの知らないところで、サービスの質向上合戦が繰り広げられているのかもしれない。

 

明日も早いため23:00に就寝。

2017年12月26日のこと。

フラットシートの区画で5:00に起床。

充電の終わっていたスマホをポッケにしまい朝まだきの天文館へ。

コンビニのトラック運転手が小走りになって荷下ろしをしているのを横目に鹿児島中央駅へてくてく歩く。歩道にやたら銅像がある町だ。

ロッカーに預けていた荷物を出して、岡山までの切符を使用開始。切符の有効期限は六日間。その間、途中下車を繰り返しながら観光するという手はず。引き返すことは許されないが、進む分には何度だって途中下車できる。

5:59発の特急「きりしま2号」で宮崎。全然混んでなかった。自由席にしておいてよかった。宮崎からは各駅停車で延岡。こちらも余裕で座れた。延岡で最初の途中下車。

 

この旅のメインイベントである高千穂へ向かう日だ。高千穂はとにかくアクセスが悪い。熊本・熊本空港から高速バス、もしくは延岡から路線バスのふた通りしかないのだった。

時間があったので、延岡のアーケード街をさまよい歩いた。少しさびれていていい感じだ。近くにあった今山八幡宮にお参りした。朝飯はセブンでおにぎり。

 

地元の路線バスに乗って一路、高千穂へ。昨日とは打って変わって晴れており、渓谷がよく見えるであろう左側の車窓は眺めがよさそうだ。カップルが指さしたりしていて楽しそう。おれが座った右側の座席からは岩肌もしくは、田畑がよく見えた。帰りは渓谷が見える側に座ろう。

バスを利用する地元のかたがたは、ご高齢の方が多い。背中が曲がっていて、頭に手ぬぐいをした東京では見ないタイプの老婆がデフォルトだ。農業をされてるとこんな感じになるのかもしれない。でこぼこ道を猛スピードで飛ばして一時間半。バスがようやく高千穂へ着いた。

 

高千穂バスセンターのコインロッカーに荷物を預け、ここで昼食。

天庵 - 高千穂/そば [食べログ]

ネットは便利だね。すごいうまいそばだったよ。

 

食べ終わってすぐ、レンタル電動自転車を借りた。口べたな高校生のアルバイト女子が使い方を説明してくれる。おれも口べたのなので、なんか変な感じになった。

高千穂に向かおうときっかけがこの電動自転車だ。高千穂バスセンターを起点とした路線バスは出ているのだけど、本数が少なくて自由に回れない。かといって貸し切りタクシーは気楽なひとりたびにはいちばん不向きな手段だといえる。運転手の当たり外れが激しいからだ。

その点、レンタル自転車はとにかく気軽だ。昨年末の四万十川のレンタルサイクル川下りが良かったということもあった。

 

電動アシスト機能つき自転車に乗るのははじめてだったけど、うまく漕ぐことができた。片っぱしから回るつもりで、まずはこちらへ。

二上神社 | 観光スポット | 高千穂町観光協会 | 宮崎県 高千穂の観光・宿泊・イベント情報

サイトには迂回路のことが書いてあるけど、観光案内所でもらえるパンフにはそんなこと書いてなかった。

自転車を停めて少し考える。そうか、ダメなのか。熊本地震と台風の影響から、まだ復旧していない道がそこここにある。山道っぽいけど、がんばるか! 向こう側からタクシーが来て、小太りの運転手から「がんばってぇ」なんて声をかけられる。いったい、おれをいくつだと思っているのか。

 

電動自転車ではなく、あくまで電動「アシスト機能つき」自転車なのだ。結局は漕がなきゃならんのだった。2キロくらいえんえん坂を登った。途中からはサドルから降りて自転車を押した。結局、あきらめた。だって、グーグルマップみたらその先にまだ4キロぐらいあるんだもん。残り1キロならがんばったけど、4キロはダメだ。

こういうときおれは次来たときにしようと、前向きに考えるようにしている。もう二度と来ないであろうとは考えない。生きているうちにぜんぶは無理なのだ。人生とはたぶんそういうことだ。

 

くだりはあっという間で、10分もかからず元の道へ。

パンフを広げ、次は国見ヶ丘にしようとハンドルをきった。ところがこっちもきつい登りだ。呼吸にラッセル音(喘息っぽいあれ)を混ぜつつ30分くらい漕ぐと、充電メモリがひとつ減った。残りあとみっつ。そう思っていると、いきなり充電切れ間近を示す点滅が始まった。

このバッテリー、もしかしてヘタッてる?

しかたなく自転車を押して登った。一時間くらいかかって、ようやく国見ヶ丘へ。国見ヶ丘はいうまでもないニニギニミコトが地上に降臨したところだ。アマテレズオオミカカミの孫、ニニギノミコつまり天孫が降臨したその場所だ。

 

山頂なので風が強かった。高千穂の町に雲のかげがかかっている。遠くの山並みも一望できた。国見ヶ丘は来たかった場所なので、とても満足だ。

 

例によって帰りはあっという間。

ほかを見て回る時間はなさそうなので高千穂駅跡に寄った。十年ほど前の水害で鉄橋が流されて以降、そのまま廃線になってしまった高千穂鉄道の始発駅だ。現在でもトロッコ電車を運行しているようだが、1300円というのでやめておいた。

レンタル自転車を返す際、バッテリーへたってると文句をいおうか迷ったがやめておいた。口べたなので。

 

16:30高千穂バスセンターに宿の車が迎えに来てくれる。

同乗者の到着が遅れて16:45に宿に向けて出発。

荷を解き18:00から食事。じゃらんで見繕って、食事がすごいというからポチッた宿だったが、ほんとうにその通りで、食事がめちゃおいしい。自家栽培のお野菜、雑穀米のおにぎり。鹿の肉ははじめて食べた。

 

19:30夜神楽をやってる高千穂神社へ車でつれてってくれる。

高千穂には夜神楽というものがあって、地区ごとに持ち回りで33幕を12時間かけて上演している。ラストはアマテラスが天の岩戸から出てくるところ。それを日の出とシンクロさせるという、とんでもない代物を千年以上続けているのだそうだ。

高千穂神社で行われているのは、全33幕からよりぬいた4幕。それを観光向けに上演してくれている。それも毎晩というのだから、この観光地のホスピタリティは高い。高すぎる。f:id:mizuhoha:20180109004125j:plain

時期が時期だけに、見るひと少ないんじゃないかと思っていたら、結局、百人くらい集まっていた。宿のひと曰く、ゴールデンウィークは立ち見になるそうだ。日本で唯一、客いじりのある神楽で、見事にいじられるおれ。なんかいいことあるかもしれない。

 

20:00からはじまった夜神楽は21:00に終演。その後は、宿の車で高千穂温泉へ。閉館間際の温泉はひとがいなくって天国だった。食事はおいしいし、夜神楽は面白いし、ほんと至れり尽くせり。

 

荷物のあらかたをコインロッカーに預けたまんまなので、あまりやることがない。テレビを見たりして、23:00頃、就寝。

2017年12月25日のこと。

起床してすぐ、宿の温泉に浸かる。

宿の温泉というより、家族風呂の蛇口から温泉が湧き出ているイメージだ。

8:00すぎには宿を出た。

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重い荷物を肩に、こんな風景の中歩く。

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さびれきったアーケード街の端から駅側を眺める。

 

グーグルマップに誘われて、住宅地を歩いた。向かった先はここ。

村之湯温泉 - 指宿|@nifty温泉

サイト掲載の写真を見てもらえばわかるとおり恐ろしく古い温泉。腰のあたりまである慣れない水深は明治15年創業ゆえかな。雰囲気満点なのだが、地元のかたがいらして、ゆっくり入れなかった。

 

朝ご飯を食べてないことに気がつく。セブンでジェネリックのホットコーヒーと、ミルクフランス。朝は適当でよいと思っている。

以前、国東半島を回ったときの定期観光バスが見応えあってすごいよかったので、今回のも期待しているのだが、はたしてどうだろう。

定期観光バスの到着10分前に観光案内所で受付を済ませた。

「実は今日、お客様おひとりです」

お金を払ったあとに不意打ちを食らった。世の中にそんなパターンがあるとは考えたことがなかった。かくして観光案内所の前に到着したバスは、おれだけを乗せて走り出すのだった。

 

一カ所目は地元財閥の息がかかった美術館の見学。この定期観光バスを運行しているのが、その地元財閥の母体企業なのだった。

鹿児島出身の画家の作品、また桜島開聞岳――鹿児島を題材にした絵画はわかるのだが、インドネシアかどこかの部族の祭事につかわれるお面だったり、太鼓なんかは見せられても意味わからん。趣味がいいとも思えなかった。

とはいえ、決められた時間まで熱心に絵を見た。

 

地元財閥の息がかかったゴルフクラブで昼食となった。地元食材をふんだんに使ったおいしいものを期待したが、別になんてことはない松花堂弁当。カニの甲羅にグラタンとかあるやつ。だったらいっそカツカレーでも良かった。国東半島のバスツアーは田舎っぽい団子汁で最高だったのに……。

おそらく地元財閥のコーポレートイメージ、ブランドイメージの向上を目指したものなのだろうが、逆効果になっている気がする。へんてこなものを見せられたり、食べさせられたりだが、午後からは一転、まともになる。

その後は長崎鼻開聞岳、池田湖と、一般的な観光地を巡った。ガイドさんワンツーマンの定期観光バスは、思った以上にワンツーマンだった。しかしそこは歴戦のプロ。絶妙な距離感で、こちらに負担を感じさせないのだった。

 

知覧特攻平和会館は遺書の図書館とも称すべき場所だった。静謐な空気に襟を正す思いだ。

続けて見た知覧武家屋敷もよい場所だった。公開されている邸宅はいっぱいあるのだが、このバスツアーでは二カ所しか入らないという決まりらしく、とても残念。自由時間にしてくれたら良かったのに。

解散の地、鹿児島中央に向かうバスの中、ガイドさんは鉄板ネタを決めてくれる。特攻に向かう若者と、特攻の母とも呼ばれる鳥濱トメさんの交流を引き合いにしたお涙ちょうだいの寸劇だ。聞いてるのはおれひとりなのだが、(おそらく)いつもどおりラストは歌で締めてくれた。おれはちゃんと拍手をした。

国東半島のそれとは比ぶべくもない見るものがあまりない定期観光バスツアーだったが、とてもシュールでとても貴重な体験となった。

 

夕方、鹿児島中央駅に落としてもらって、定期観光バスツアーは終了。再び単独行動へ。

荷物をコインロッカーに預け、みどりの窓口で明日から使う岡山までの切符と、明日朝一の自由席特急券を購入。

普段しないような変わった行動を取ると、記憶に残りやすい。駅ビル最上階観覧車にひとり乗って、噴煙を上げる桜島の偉容を眺めた。

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角度的にわかりにくいけど、山頂から噴煙があがっている。

 

夕食はこちらで、とんかつ川久 - 鹿児島中央/とんかつ [食べログ] 

これはめちゃうまかった。

 

ドキュメント72時間でもやっていた桜島フェリーに乗って桜島へ。

あたりはすっかり暗い中、月讀神社 - みんなの桜島 にお参り。

桜島マグマ温泉 | 国民宿舎 レインボー桜島<公式ホームページ>

こちらで温泉とサウナをいただく。学生たちに占領されていて、入れない湯船があったが、この時期は基本的にひとがいないので、贅沢な時間を過ごしている。

 

帰りは桜島フェリー名物のうどんを食した。お腹は減ってないのだが、半分は取材だ。うどんの容器はプラ。紙コップをのぞき込むと、船のエンジンの振動を受けた水が、コップの中で六角形の波紋を作っていた。

 

天文館にあったモスバーガーでアイスコーヒーを飲んでから、漫画喫茶へいった。ブラックなバイトでろくに歯も磨けないのだろう。やたら口の臭い可愛い女の子が受付してくれた。

23:00前に入店して、24:00過ぎに就寝。