パワハラそばしか食べてないので、起きるとお腹が減っていた。
乗るバスまで時間あったので、チェックアウト前、朝食を取りに外に出た。金沢の台所、近江町市場まで行って戻ってきてもぎりぎり間に合う感じかなぁと、歩き出すも、すぐそばにあったホテルの一階のスープモーニングにした。
食べ終わって、小雨が降る中、ホテルに戻ってチェックアウト。
駅の向こう側にある西口のバス停まで歩いた。去年の旅行のとき購入したモンベルの軽量折りたたみ傘が大活躍だ。
バスは9:25発。こちらのバスも空いているのかと思いきや、けっこうな人数がいた。ただ、ふたりがけの席にそれぞれひとりずつ座ってちょうどみたいな混み具合。もともとは鉄道だった路線をバスに置換したのが2002年とのことだ。この路線は本数も多いし便利がよさそう。
雨模様の車窓がさみしげな海岸線を映し出している。
2時間強かけて、終点「輪島マリンタウン」に到着。目の前が本日宿泊するホテルだった。
荷物をホテルのフロントに置いて、さっそく輪島朝市へ。
越前大野の朝市みたいにどうせ開店休業なんでしょう? 期待してなかったら、けっこうな規模のしっかりした朝市でびっくりした。
観光客も多く賑わっていた。ただ、正午直前とあって、店じまいの真っ最中な屋台が多い。えいひれと干物をおみやげ用に購入。かなりの量はいってどっちも500円とかなりリーズナブルだ。
お昼は「やぶ 新橋店」で海鮮丼。
ふぐの天ぷらもつけた。
海鮮丼も美味しかったが、2年前の西日本旅行で訪れたこちらにはかなわず。
ここにもお邪魔。
なかは狭く、あっという間に見終わってしまう。生原稿の展示だけでかまわないので、もっと見たかった。あとふた部屋あれば大満足なのにと思った。
輪島の街は色が特徴的だ。
茶色系統の建物が多かった。雲が低いせいか、いっそう彩度が失われているように見えた。
なんの期待もせずに入った輪島キリコ会館がよかった。
巨大なキリコがいくつも並んでいて圧巻だ。不勉強でおなじみなぼくは、ここにくるまで「キリコ」という概念自体を知らなかった。反省している。でも、キリコはすごい。おみやげ売り場でまんまと箸を買ってしまう。輪島塗とはあまり関係なさそうな普段使いの地味なやつ。
こちらに寄り道。
足湯をガチでやったのははじめてだった。地元のひとが先に入ってた。並んで腰掛けて世間話をしていた。毎日ここで、四時間は浸かっているというおっさんの話に、連れの年配女性は感心していた。おかげで体調はいいらしい。毎日四時間ここで時間潰せるって、どんなんだって思いながら話を聞いていた。
二十分くらいだったと思うがずいぶんあったまった。徒歩であちこち歩き回った。輪島塗の美術館とかはもう年末年始休業に突入していた。
国鉄、廃線後の輪島駅はそのまま道の駅と観光案内所になっている。夕方、そこから出ているバスに乗って、白米千枚田へ。
簡単にいえば、LEDでライトアップした棚田だ。そういうのはあまり興味がないんだけど、ものはついでで足を伸ばした。へーふーんって感じ。
逃すと一時間以上待つことになる帰りのバスにぎりぎり乗り込んだ。遅れることはあっても、早く来ることはない都会のバスぼけしている。二分くらい早くきて、一分早くバス停をでた。危なかった。
輪島に戻ってくると、夕食難民となった。すでに年末年始休暇に入った店と、早じまいの店とで、やってる店がかなり少ない。欲をいえば温かいものが食べたいが、贅沢をいっている場合じゃなかった。居酒屋みたいな食事で良ければホテルの食堂でできるとのことだけど……。
結局、こちらで中華にした。
冬休みのバイトをしている利発そうな高校生になにが人気なのかと聞く。広東麺というので、じゃあそれと餃子と生中。頼んだ後、壁のメニューを見てた。「とり皮炒め定食」なるものが気になったし、広東麺じゃなくてネギそばにすれば良かった。こういうとこのアドリブで成功したためしがない。なんだかんだ思っても美味しい街の中華屋さんだった。
宿に戻ったのは21:00すぎだったと記憶している。
楽しみにしていた温泉は温度が高め。熱いお湯自体は好きなので、それは問題なかったのだが、サウナがないのが問題だった。
浴場を見渡せば、あきらかに不自然な空間がある。設計図にはあったサウナと水風呂を、急遽、なくした感じになっている。都会じゃ人気のサウナだけど、地方はそうでもないのかな? 水風呂がないので温冷交互浴もできなかった。あったまりはしたものの、なにか、消化不良な感じだった。